ウクライナ侵攻を続け、欧米からの厳しい制裁を受けるロシアの首都モスクワで、世界最長の地下鉄環状線が全面開業した。4月中旬にあった外国メディア向けのプレスツアーで、モスクワ市の広報は「車両はすべてロシアの国産技術を使用している」と主張。「制裁の影響は受けていない」と強調した。

　3月に全面開業したのはモスクワ地下鉄の「大環状線」。全長70キロに計31駅があり、1時間30分で1周を走る。プーチン大統領もオンラインで開業式典に参加し、「短期間で壮大なプロジェクトを実現した」と称賛し、「北京の地下鉄を抜いて世界最長の環状地下鉄となった」と誇らしげに語った。

　4月中旬のプレスツアーでは、運転席の内部などが公開された。地下鉄の先頭車両には、プーチン氏のサインが入った路線図のレプリカが、運転席のドア付近に貼ってあった。路線図には中国語版もあり、3月にロシアを訪問した習近平（シーチンピン）国家主席に贈られたという。

　大環状線は2012年に建設…