ダイオードの種類と特性-静特性・動特性・電流・電圧・逆回復時間 |
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目次 [閉じる] 1 Siダイオードの分類2 ダイオードの電気的特性 Siダイオードの分類Siダイオードの分類を考えたときに、その主旨によっていくつかの分類の仕方があると思います。ここでは、主に電力変換などに使われると考えられるダイオードという主旨で分類しました。 大枠として、整流ダイオード、ツェナーダイオード、高周波ダイオードに分類しました。その中で、整流を主目的にするダイオードを、一般的な汎用整流用、スイッチングを前提とした高速整流用、そして超高速整流用途のファストリカバリタイプ、最後に同じく高速性と低VFが特徴となるショットキーバリアダイオードに分けて、今後それぞれについて説明をしていきます。 ![]() このように分類はしましたが、いずれも原則的にアノードとカソードからなる素子で、本質的な機能や特性を示す項目はほぼ同じです。「それでは違いは何か」という話をするとすれば、「用途に合わせて電気特性の一部が最適化されていこと」という表現ができると思います。 ダイオードの電気的特性念のために、ダイオードの静特性と動特性を確認しておきます。下の図を眺めていただければ、細かな説明は不要かと思いますが、これから各ダイオードの特徴を説明する際のキーワードになります。 ダイオードの静特性としては、順方向の電圧VFと電流IF、逆方向の電圧VRと電流IRが基本です。 右の図の、橙色の破線の領域は、整流ダイオードが利用する領域を示しています。具体的には、順方向の扱い可能なIFまでの範囲と、逆方向はブレークダウン電圧以内の領域になります。 ![]() ちなみに緑の破線で囲まれた領域は、本章の対象ではありませんが、ツェナーダイオードが利用する領域です。通常のダイオードはこの領域は利用しませんし、IRの制限なしにこの領域に入ると、破壊に至る可能性があります。 ダイオードの動特性の主なものとしては、逆回復時間trrと、静電容量Ctがあります。 trrは、順方向に電圧が印加され順方向電流IFが流れている状態から、電圧が逆方向に変化したときに流れる逆方向電流IRが定常状態(ほぼゼロ)に戻る時間です。右の図が示すように、IFが流れているオン状態からオフ状態になると、理想的には直ちにIFはゼロになります。しかしながら、実際には、ゼロを飛び越して逆方向電流IRが一瞬流れ、trrをともなってゼロに回復していきます。trrは、短いほど特性がよいといえます。 ![]() ![]() 静電容量Ctは、ダイオードがもつ容量です。コンデンサと同じ効果をもたらします。右図のように、ダイオードがオンオフする際には、Ctが大きいと俗にいう波形のなまりが大きくなり、場合によっては時定数の関係で印加電圧に至る前にオフ動作に入り、問題になることもあります。高速スイッチング回路では、Ctが小さいダイオードが望まれます。 最後に主要な最大定格と電気的特性をまとめました。 最大定格は、連続的および瞬間的な印加電圧と電流、そして温度条件を記しました。 「瞬間的」の定義についてはデータシートの記述を参照するか、明確な記述がない場合にはメーカーに確認する必要があります。 新章のスタートして、基礎の基礎的な話が多くなってしまいましたが、各ダイオードの特性や用途を考える場合にはどうしてもこれらを理解している必要があります。また、実際のダイオードの選択に関しても、これらのパラメータを吟味することになります。 |
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