東京都荒川区の産婦人科医院が突然閉院し、区に問い合わせが相次いでいる。8日以降で100件ほどに達しており、区は相談窓口を設け、転院先の紹介などの対応にあたっている。

　区健康推進担当部によると、閉院したのは同区町屋の加藤産婦人科医院。区には、同院が閉院した8日から「閉院していて連絡がつかない」「出産を予定していて困っている」などの問い合わせが相次いで寄せられた。

　区の担当者が同院と連絡を取ろうとしたが電話はつながらず、ファクスやメールを何度も送るなどした結果、閉院理由を「資金繰りの悪化と院長の体調不良」と確認できたという。患者への対応を求めたところ、同院のサイトに「分娩（ぶんべん）のご予約をいただいていた患者さまへは順次紹介状をお送りします」と掲示されたという。11日時点で、同サイトには「当院は2023年5月8日をもちまして閉院いたしました。通院いただいておりました患者さまには大変ご迷惑をおかけいたします」と記載されている。

　荒川区の相談窓口は、妊娠・出産については健康推進課（03・3802・4252）、産後ケアは子育て支援課（03・3802・3619）。同区から近隣の区にも連絡しており、台東区や足立区などの担当部署でも対応できるという。（中山由美）