通称「サンマ」とも呼ばれる3MA型の「TZR250」をサーキットユースに仕上げたモデルとして展開されたのが「TZR250SP」である。ちなみモデル名末尾に追加された「SP」は、スポーツ・プロダクションの略である。1990年2月に発売された。
3MA型の「TZR250」は、1989年に2XT型からのフルモデルチェンジで登場したマシンだが、1990年にマイナーチェンジを実施している。フロントサスペンションを正立フォークから39mmの倒立フォークへ変更。その他にもキャブレターの変更や2ウェイコントロールYPVSも新たに採用している。「TZR250SP」のベースになっているのは、このマイナーチェンジ後のモデルになる。
通常タイプと同様の水冷2ストローク並列2気筒の3MA型エンジン搭載で、最高出力も9,500回転で45馬力と同スペック。ただ、圧縮比は7.4から8.0に引き上げられている。クロスミッションや乾式クラッチを採用している点が通常モデルと大きく異なる仕様だ。
ラジエターも大型タイプを装備している。
足回りはフロントが伸側圧側ともに減衰無段調整が可能。リアも伸側が24段で圧側20段の調整式。さらにリヤのホイールリム幅がワイドになっており装着タイヤもスタンダードタイプが4.00-18インチであるところを「SP」は4.50-18を履いている。スイングアームもサイズ変更された専用設計になった。
カラーラインアップは「シルキーホワイト×ファインレッド」の1カラーで、1,000台限定の719,000円という価格設定だった。ちなみに1990年モデルの3MA型通常タイプは619,000円だったので100,000円の価格差があった。ただ、ライバルモデルのホンダ「NSR250R」もほぼ同時期に「SP」モデルを同価格で発表しており人気争いでは「TZR250SP」が劣っていた。
デビュー翌年の1991年には、V型エンジンを搭載した「TZR250R」にも「SP」モデルが設定されたことで本モデルは販売終了となった。
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解説記事更新日:2021年09月29日
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