白色相簿2 |
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- プロローグ - 冷たい風を震わせて、歌が聴こえてきた―― 夕暮れのキャンパスに、誰もいない学食に、寂しげな校舎の窓辺に。 三年前に凍らせたはずのあの歌が。 情熱に突き動かされ、純粋な思いを綴った、欺瞞の歌が溶けてゆく。 あの、三人だった冬も今は遠く、 一人と一人の季節を何度も繰り返し。 続きは、そんな晩秋。 あの時引きちぎろうとした絆の、醜い傷痕が乾くこともなく、 けれど、何かが変わる予感とともに始まっていく。 寂しい二つの旋律は、お互いを惹きつけ傷つけて、 そしてまた、新たな旋律を呼び寄せる。 もうすぐ、新しい冬が来る。 あのひとといられない、そしてあいつのいない冬が。 ホワイトアルバムなんて知らない。 だって、もう何も歌えない。 届かない恋なんてしない。 だって、もう人を愛せない。 |
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