たとえば、東京(とうきょう)ドームの大(おお)きな屋根(やね)の上(うえ)に、ポツンと1ぴき、小(ちい)さなアリがいると考(かんが)えてください。東京(とうきょう)ドームの屋根(やね)も、人間(にんげん)がはなれたところから見(み)ると、カーブしているのがわかります。しかし、屋根(やね)の上(うえ)にいるアリには、まっ平(たい)らな地面(じめん)にしか見(み)えないはずです。なぜなら、ドームは、アリにとって、あまりにも大(おお)きすぎるからです。 人間(にんげん)に地球(ちきゅう)の地面(じめん)が平(たい)らに見(み)えてしまうのも、これと同(おな)じことです。人間(にんげん)にくらべて地球(ちきゅう)があまりにも大(おお)きいために、本当(ほんとう)は丸(まる)いのに平(たい)らに見(み)えているだけなのです。 ところで、平(たい)らに見(み)える地球(ちきゅう)ですが、やはり地球(ちきゅう)は丸(まる)いというのを、目(め)でたしかめる方法(ほうほう)があります。海(うみ)で遠(とお)いところから近(ちか)づいてくる船(ふね)を見(み)るのです。 最初(さいしょ)は、船(ふね)が、地球(ちきゅう)の球(きゅう)の向(む)こう側(がわ)にいるために全然(ぜんぜん)見(み)えません。ところが、近(ちか)づいてくるにしたがって、えんとつやマストなど、船(ふね)の上(うえ)のほうからだんだん見(み)えてくるのです。もし地球(ちきゅう)が平(たい)らならば、最初(さいしょ)はぼやけて見(み)えていたのが、だんだんはっきり見(み)えるようになるはずです。しかし、地球(ちきゅう)は丸(まる)いために、船(ふね)は船(ふね)の上(うえ)のほうからすがたを現(あらわ)してくるのです。これは、地球(ちきゅう)が丸(まる)いといういい証拠(しょうこ)です。