BMPCC4Kのフィルタ交換記 |
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BMPCC4KとはデュアルネイティブISO空冷ファン付きBlackmagic RAW / ProRes 収録値段が安い思ったより軽い光学フィルタの交換フィルタの状態フィルタ交換交換の注意点フィルタの取り付けについてマウント金具の取り付けについてフィルタの比較なぜフィルタがダメに?結露しやすいカビに弱いメイン基板も見るまとめ
BMPCC4Kとは
Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K は2018年発表のシネマカメラです。 今ある様々なカメラには、もう追いつかれた感がありますが、以下の点が優れていると思います。 デュアルネイティブISO基本感度はISO400とISO1250の二段階で、特にISO1250以上で使いものになる数少ないカメラだと思います。大体ISO5000くらいまでは使えると感じています。感度ISO400を基準とすると、ISO4000が20dbの増感ですから、ENGカメラを使っている人でもすんなり受け入れられると思います。 空冷ファン付きなんと空冷ファンがついていますので、長時間の録画ができます。 これは空冷だけにアツい。他の”ミラーレス”カメラは長時間収録がどーしても不安です。BMPCCシリーズはファン付きなので、長時間収録でも安心です。 2021年頃から動画系特化の”ミラーレス”カメラにもファンがついたモデルが増えた気がしますね。 Blackmagic RAW / ProRes 収録初期出荷時のバージョンではCinemaDNGで収録できましたが、現在はBlackmagic RAWで収録する方がファイルの取り扱いも便利です。ProRes収録というのも、編集までの流れが軽くて嬉しい点です。 ただしデータレートがすごいので、ストレージに余裕がないと、この二つはただの欠点ですね。Proxy収録もできないからロケ行ってすぐオフライン編集・・・みたいなこともできません。 値段が安い発売当時でも驚愕の安さでしたが、最近のさまざまな”ミラーレス”カメラの値段が高くなってきたのでさらに割安感があります。 さらに、レンズマウントがMFTなのでレンズもアダプタも選択肢が豊富で割安感がありますね。 思ったより軽いレンズも何もない状態なら722gと、この手のカメラとしては抜群に軽いんですが・・・。 ![]() 14-42との組み合わせならギリギリ1kg切ります。これですばらしい画質でしかも高感度だから嬉しいですね。 ただし、ちゃんと使い物になるようにRIGを組んだり、内臓バッテリではまったく使えんので外部バッテリを追加すると、とんでもない重さになりますね・・・。 あまりこの良さに気づいている人は多くない・・・そんなことないか。 光学フィルタの交換今回は光学フィルタの交換です。光学フィルタとは、センサの前にあるガラス板のことで、よほど特殊なカメラでなければ、センサの前に必ずあります。実装方法は色々ですが、設計思想の違いでしょう。 フィルタの状態今回手に入れたBMPCC4Kは、前面に盛大なる拭き傷ができています。 ![]() なんでこうなったのかの考察は次項で述べるとして、フィルタを交換していきます。 フィルタ交換フィルタまでのアクセスはこちらが参考になるでしょう。 OLPF for Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K – RAWLITE サードパーティ製のローパスレス+赤外線反射フィルタの取り付け方法の解説動画です。 BMPCC4Kはボディを盛大に分解しなくとも、フィルタを交換することができます。 BMのカメラはこういうところが親切設計ですね。 ![]() フィルタはねじ込まれているわけではなく、ガスケットの摩擦で固定されてるだけなので引っ張ると取れます。カニ目などでねじらなくていいのです。 交換するフィルタはAlliexpressで注文しました。国内メーカーに発注するととんでもない価格になるので、AlliとかAmazonとかで特注を受けている深圳の業者に頼むのがよいと思います。 今回のものは約35米ドルで購入しました。 交換の注意点 フィルタの取り付けについてフィルタはベゼル(枠)に接着剤で貼り付けてあります。 外すときは、ホットガンかドライヤで温めると接着剤を溶かして分解できます。 取り付けるときはベゼルに貼り付けなければならないので、ここがBMPC4Kの時と違って面倒で気を使うところです。 UN製のレンズサッカーを使うと光学面に触れずに作業できますのでおすすめです。 ![]() マウント金具は下の図のようにボディと約1mm程度のギャップがある状態が正常です。 ![]() 金具とボディのギャップが不均一だとレンズとの電子接点が接触せず、レンズを認識しなくなることがあります。 フィルタの比較興味深いことにBMPC4K(Production Camera 4K)とBMPCC4K(Pocket Cinema Camera 4K)のフィルタは同じもののようです。 ![]() ちなみに、これらBMのフィルタはおそらく赤外線を反射しないので、光源によっては赤外線の影響を多大に受けると考えられます。 同じフィルタを持っていると仮定すれば、URSA 12Kも暗部が赤被りする気がするのはこのせいかもしれませんね。 なぜフィルタがダメに?このセクションはただの推測、考察です。 結露しやすいおそらくはフィルタは結露しやすいのではないかと思います。 なぜかセンサ面には異常がない。センサ面は電源を入れると加熱するから除湿・殺菌されるのではないかと考えられます。その点においてこのような実装の光学フィルタは、結露しやすく、また熱せられることもないため、カビがふきやすいのかもしれません。 カビに弱いもうひとつは、このフィルタがただカビに弱いのではないかと思いました。 点カビでコーティングが侵されるのはレンズではよくあるかもしれませんが、カメラ内部にある光学フィルタでも同じようになるのはダメージがかなりでかい。 ![]() ![]() 冬場の野外で使ったら袋に密封して室温に慣れさせるなど、結露に気をつけることと、カメラも防湿庫にしまう方が良いと思います。 メイン基板も見る実は分解中にこのバネを無くしました。 ![]() なんとこのレンズリリースボタンの穴から中に入ってしまいましたので、仕方なくメイン基板の方も開けてみました。 ![]() 中身はXlinxのFPGAでした。 ![]() 周辺のチップの構成を見ると評価ボードと似ていますが、入出力系がカメラ用に特化したオリジナリティあふれるものですね。 南雪谷のカメラメーカの人からは、Blackmagicのカメラはその価格からは考えられないような高性能FPGAを使っていると聞きました。このFPGAも評価ボードは10万円以上するので、なんとなく確信が持てました。 日立国際電気の偉い人がRED ONEの構成をみて「今後のカメラはもはやパソコンにイメージセンサがついてるもの」だと言っていましたが、このような小さなカメラでも「高性能汎用コンピュータ」で動いてるというのは、興味深いものです。たぶんSoCを作り込むより金がかからんのかも。 まとめカビたフィルタを交換して元の性能を取り戻しました。 BMPCC4KもBMPC4Kもフィルタがかびやすいのではないかと思いました。 |
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